多田満仲の日記

主にゲームについて

最後のブルマとソックス問題について

調べてみると、当時幽遊白書がフジテレビ系土曜18:30から、セーラームーンテレビ朝日系土曜19:00からそれぞれ放映されていた。つまり私がセーラームーンを視聴するためには、何てことはない、幽遊白書を見終わったあとにちょっとリモコンを操作してチャンネルを変えるだけでよかったのである。

しかし、言うまでもなく、セーラームーンは女児向けアニメである。少なくとも製作者はそのように意図していたであろうし、当時社会現象にまでなったこのアニメに対する世間一般の認識も同様である。つまり、「男の子がセーラームーンを見るのは恥ずかしい」共通認識が出来上がってしまうのである。当時、幼稚園および学校で男の子が「昨日のセーラームーン、面白かったよな」などと言おうものなら、その子は真っ先にいじめの対象になっていたことだろう。

年齢の近い妹か姉がいたならば、食卓を囲む一家団欒において、セーラームーンを視聴することはできただろう。しかし、残念なことに、私にはひとつ上の兄がいただけである。そして私は、家族の目の前でセーラームーンを見ることができるだけの勇気を持っていなかった。

幼稚園児であるわたしに、家族の目を盗んで見るための自室はおろか、テレビすら与えられていなかったのは言うまでもない。つまるところ私は当時(そして今に至るまで)セーラームーンを見る機会を失ってしまったのである。

興味の対象が多様化した今の私がセーラームーンに対しても特別な感情を抱くことはもはやなくなってしまったが、それでも成就することのなかった「長靴下の美少女」に対する憧れは、幼い私の人格形成の、非常に重要な要素だったに違いない。そしてその鬱屈した感情が、「ブルマにソックスがないとは何事か」という冒頭の私の怒りにつながったのであろう。